治療
歯の不正咬合がある場合、1ヵ月に1度の定期的な歯科処置が必要になります。
歯科処置が必要になる頻度は、不正咬合の程度や歯の健康状態、ウサギの年齢などによって様々です。
しかし、多くの場合は毎回同じくらいの間隔で必要になるため、獣医師と相談し、定期的な検診を行ないできるだけ食欲不振の時期が短くなるように注意する必要があります。
草食動物であるウサギは常に消化管内に食べ物が入っており消化管も運動をし続けています。このため原因に関わらず、食欲不振が続くとすぐに消化器疾患に陥り全身状態が低下してしまいます。
また、不正咬合の多くは歯科処置をすることで改善しますが、棘のようになった歯が頬粘膜や舌を刺激したり、刺入して痛みを伴っていることを考えるとできるだけ早く治療を行なうことの大切さがわかると思います。
また、臼歯の歯科処置を行なう際には麻酔や鎮静が必要となることもあり、全身状態が悪化している場合には麻酔や鎮静によるリスクもより高くなる危険性があります。
一度、歯に問題が起きたウサギの飼い主は、食欲の低下や糞の大きさ、数の変化、食餌の好みの変化、口をくちゃくちゃしていないか、よだれで口の周りが濡れていないかなどを注意深く観察し異常がみられる場合には早めに動物病院を受診することが大切です。
食欲が低下しているにもかかわらず、すぐに動物病院を受診できない場合には、ペレットをふやかして与えたりシリンジを用いて強制給餌を行なうなどの処置が必要となることもあるため、事前に動物病院でやり方などを習っておくことも大切です。